中国宋代の団扇絵の表紙から、これはなかなか凝っているなと思いました。開いてみて、すべて、団扇絵なので、しっかり中国の世界へ入り込めました。
皇帝の服装から、時代は宋よりもっと古い、紀元前でしょうか?
花を愛する皇帝の世継ぎ選びのお話。
国中の子どもに、花の種を渡し、大切に育て、一年後に“見せに来るように(ここがポイント)”とのおふれ。
ピンという少年、花咲かせ名人。ピンにも花の種が。でも、…。
ピンが花を咲かせたいおもいで、種を世話する様子は、“世継ぎ”などへの邪念の無い、純粋に植物を愛する心であることが、良く伝わってきます。
終盤、父親に言われる一言の前のピンの心中は、ただただ皇帝に申し訳ない、恥ずかしいおもいであることが、読み取れます。
正直であることが、人として いかに大切で美しいことであるかを学べます。さすが、儒教発祥の地のお話ですね。
読後、「ペンのその後が、想像できるね。」と我が息子。
『おまえも 正直であれよ!』と、心で願う母でありました。