ブラウンさんのシンデレラは、シンデレラの家族から父親のふがいなさ、さまざまにきめの細かい内容になっています。
宮殿に出かけるまでの準備の詳細、舞踏会も一日で終わらなかったこと、シンデレラがちゃっかりガラスの靴の片方を持っていたことなど、話に膨らみがあります。
お姉さんたちがガラス靴に足をあわせるために、足を切って痛い思いをしてまで、お妃様になりたかった等という内容のシンデレラもあったと思いますので、素朴で雅やかな物語であるとも思います。
ただ、シンデレラのエキスが薄まってしまったように思うのは何故でしょう。
マーシャ・ブラウンの絵にもその影響があるでしょうか。
シンデレラはペローでもグリムでも少しおどろおどろしさを秘めたファンタジーなのです。
あまりあっさりとまとまってしまうと、物足りなくなってしまうのです。
シンデレラは薄幸で虐げられた女性であり、継母と姉たちは悪に徹しなければいけないのです。
上品なだけに、ちょっと気の抜けたシンデレラだと思いました。