『急行「北極号」』のレビューの時に、この絵本について触れ、思い出し図書館で借りてきました。
この作品とは、大学入試の小論文の指導で題材に取りあげられていた時に出会いました。
サンタクロースを信じない人は、見たことがないと、信じられない人。
大人でも子どもでも、全部がわかるわけじゃない。
愛とか思いやりとか、いたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、愛もサンタクロースも、私たちに輝きをあたえてくれる。
もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。
無邪気な子どもの心も、詩のたのしむ心も、人を好きって思う心も、ぜんぶなくなってしまう。
112年前に、たたみかけるように語られたこの文章は、こどもたちへよりは、むしろ大人たちへのメッセージに聞こえます。
この社説でオハロンの疑問に答えてくれた ニューヨーク・サン社の記者フランシス・ファーセラス・チャーチさんの死後、彼の回答であったことが明らかになったそうです。
この疑問を新聞社に投げかけたオハロンは、こののち教職に就き、その最後の三年間は長期入院を要するこどもたちの公立学校の副校長を務めたということです。
ぜひ、大人のかたにもご一読頂きたい一冊です。