世界の少数民族の言葉を取り上げた絵本。
私と娘が気に入った言葉は一致していて、「ルルン」。
日本語のルンルンに似た「ルルン」は「豊作」という意味。
ペルーのアヤクチョ・ケチュア語だという。ペルーの日焼け
した母子が、たわわに実ったトウモロコシを抱えて「ルルン!」
と言えば、まるでルンルンな気持ちまで伝わるようだ。
そのほか、大国ロシアで2000人のみが話すコリャーク語には、
トナカイが角を木の枝にこすりつけて磨く時の暑さ(酷暑)を
表す「ウィヌクジュガージュトゥグル」という言葉があったりと、
私たちには想像もしないような言葉が数々紹介されている。
言葉というのは、その民族の住む地域や国の自然や生活
環境の必要性から生まれたものであるということがよくわかる。
そして、色々な国の人たちの生活に思いを馳せることができる。
文化の違いを学ぶグローバル教育に興味があるなら、是非
読ませるといいと思う。センスの良い絵と注釈によって、大人
も楽しめる文化人類学の絵本。長く持っておきたい。