お母さんがシカゴに働きに出かけるという。
背景には戦争(南北戦争?)があり、女手の働き口があるという時代。しかも、黒人であること。まだまだ黒人が迫害されている時代であることがわかれば、お母さんの不在がとても重さを持ってきます。
この絵本では、大好きなお母さんを待つ女の子の切ない気持ちがひしひしと感じとられます。
絵も極めて静かに女の子の心を表現しています。
待っても来ないお母さんからの手紙。おばあさんと二人で母親を待つ冬の長さ。
おばあさんの心持ちも感じとれます。
読んでいて、お母さんに何かあったのではないかと思わせるようなストーリーですが、母親が帰ってくることが判って自分もホッとしました。
子猫が重要な役割をしていると思います。
ところで、この絵本には父親もおじいちゃんも出てきません。
これは戦争と関係あるのでしょうか? 黒人であることと関係あるのでしょうか?
それとも、この家族の事情なのでしょうか。
父親として読むとき、この絵本における「父親の不在」がとても大きく感じられ、設定によって女の子の母親に対する心持が変わっていくのではないかとも思いました。
すこし、さびしかったです。