表紙絵のマクシマスさんの表情と緻密な描写の背景に思わず見入り、絵の担当を見ると、『しゃっくりがいこつ』の絵のS.D.シンドラーさんでした。
一見開きを見ただけで、購入を決めレジへ。
ものをはかったり数えたりするのが大好きな老人マグナス・マクシマスさん。
彼の、「はかる」道具の数々に目を見張ります。
そのはかったり数えたりする対象といったら、並のありきたりのものばかりじゃありません。
はしかのポツポツを数えているページで爆笑です。
ある日、町にやってきたサーカスのライオンが逃げ出して大さわぎの中、マクシマスさんだけは毅然とした態度でライオンをはかる事をはじめます。
そんな彼は、町には必要な人だと賞賛され、とうとう趣味がお仕事になってしまいます。
とにかく趣味へ没頭というか職責を全うしているというか、マクシマスさんの「はかる」事への徹底振りは見事です。
丁度読者が、エ〜〜〜って思った頃に、素敵な出会いが。
読後、前だけを見つめて仕事に突っ走っている大人たちへのメッセージにも思える作品だと思いました。
ラストで、心の潤いのある生活をし始めたマクシマスさんの横顔がとっても素敵に見えました。