1963年初版本の作品だそうです。
日本では、2006年3月初版発行というから、約50年待ったという感じですね。
タイトルの“おかねもち”に惹かれれて興味を抱くお子さんもいることでしょう。
私も、知恵と勇気のある賢いすずめのサクセスストーリーかな?と思い込んで読みました。
読んで、ビックリ!
主人公のぼさぼさくんは、いつも飢えている身勝手なすずめ君でした。
見つけた餌を分けることもせず、独り占めをして食べた事も隠す始末。
あらまあと呆れつつも、究極の飢餓状態がぼさぼさくんをこういう風にしてしまったのかな?
ほかのすずめは、どうなのかな?
なんて考えながら読み進めました。
ある日、夢のような食料の山の中に入る事ができたぼさぼさくん。
有頂天さや充足感・安心感が、伝わって来ます。
ところが、寒さと飢えの中にいる仲間たちの楽しそうな生活ぶりを見ているうちに、・・・。
生きていくうえで何が人の心を一番満たすのかを婉曲的に伝えてくれている作品でした。
何度も読み直し、独特な画面割りにやはり新鮮さを感じます。
そして、基調とされている”水色”は、ミレルさん独自の水色だなぁ〜と改めて思いました。