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表紙の素敵な絵に惹かれて、手に取りました。 とても雰囲気のある絵だなと思ったら、「スモンスモン」の作者さんの作品でした。 日が短くなって、渡り鳥たちがあたたかい場所へと飛んでいきます。 仲間とはぐれてしまったまだ若い渡り鳥のローザが、助けてくれた犬のミールと飼い主のアンナとともに、ひとふゆを過ごすお話。 美しくて、切なくて。 落ち着きの色合いの中に、ハッとするほど映える赤色が、とても印象的でした。
投稿日:2021/01/05
ひと目で良い絵本とわかる本ですが、やはり絵がすばらしいです。絵本でここまで芸術的な絵を使ってしまっていいのだろうかとうろたえるほど美しい。どこかラファエル前派の絵画を思わせる静的で端正な絵は、感情的な面を排して描かれている分、かえって感傷的で強く印象に残ります。ダノウスキの作品が日本に紹介されるのは初めてということですが、この人の作品をもっと見たいと思いました。言葉もうつくしい。イギリスの散文詩のような詩的なことばのひとつひとつが、これも感情を抑えて淡々と綴られており、その語り口が深く心に染みわたります。その語り口の損なうことなく訳された訳文がいいのだと思います。 絵、文章、翻訳、そのすべてが見事に調和した作品で、これはもう絵本ではなくひとつの芸術作品。子供向けとか大人向けとか関係ない、全年代向けの傑作です。
投稿日:2018/01/22
表紙の絵力にひきよせられて、読んでみました。 仲間とはぐれてしまった渡り鳥のローザ。そこを助けてくれた犬のミールと飼い主のアンナに出会います。 きびしい自然のなかで生きる野生動物の姿。生まれる出会い、離れてもつながっている絆などいろんなことが心に残ります。 そして、なんといっても、重厚で美しい絵。どの場面も見入ってしまいました。大人にもおすすめの絵本だと思います。
投稿日:2017/04/29
静かな雰囲気の中で淡々と物語は進んでゆきます。渡り鳥であるローザが群れからはぐれ、人間たちとの暮らしに馴染んできた頃また季節は巡り、仲間達と再会し…。絵も美しく、暖かい雰囲気に包まれます。こんな暮らしに憧れる…。
投稿日:2015/01/10
メチャメチャキレイな絵でした! 細かく丁寧なのにはっきりしていて遠目が利きます。 傍らに優しく書かれている文字も大きくて読みやすいです。 ここに描かれている鳥やらお花を見ているだけでも目が癒された気がしました。 渡り鳥のローザとイヌのミールとの友情も素敵でした。 冬のお話なので、寒い冬の時期小学校中学年くらいからぜひ、読み聞かせとかに使ってみたいです。 特に鳥や犬やお花やが好きな人にはお薦めです。
投稿日:2015/01/04
渡り鳥ローザが大好きな「ほっぺの花」は、原題では「永遠の花」。 春から秋まで咲いている花ってとても暗示的です。 その花のタネをバックにつめて飛び立とうとするローザは、空から墜ちてしまいます。 この地でしか育たない花なのでしょうか。 助けてくれた犬のミールと飼い主のアンナとの生活。 ローザが運んだタネの発芽と開花。 花が咲く季節に、ローザと仲間たちの再会。 淡々と描かれる出会と別れとめぐる季節が、見事に結実した絵本です。 何よりダノウスキの重厚で緻密で奥深い絵画のような絵が、この絵本をとても高尚なものにしていると思います。 淋しさの余韻が残る絵本ですが、永遠の中の断片だからですよね。
投稿日:2014/12/07
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