虔十という人は少し足りないとみんなは思っていました。いつでもはあはあ笑っている人でした。
そんな虔十が、ある日、杉の苗を七百本買ってほしいと言ったのです。おかあさんもおにいさんも反対をしたのですが、おとうさんは、そんな虔十の願いを聞いてくれました。
そして、虔十は黙々と杉を育てるのです。反対をする人、邪魔をする人、ばかにする人…
でもその結果、大きな成果があったのです。
はじめて頼みごとをした、はじめて人に対して逆らった…
虔十の生き方、そして、虔十が残してくれたものを考えさせてくれる、素敵なお話だと思いました。
人物が、生き生きと力強く描かれていて、強い意志を感じさせてくれるのも、大きな魅力です。