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うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの

うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)

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あるヘラジカの物語」 大人が読んだ みんなの声

あるヘラジカの物語 作:鈴木 まもる
企画・原案:星野 道夫
絵:鈴木 まもる
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2020年09月02日
ISBN:9784751529676
評価スコア 4.84
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みんなの声 総数 18
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  •  「それを見つけたのは十月初旬のことだった。」
     こんな文章で、写真家星野道夫が綴ったのは、『アラスカ風のような物語』所載の「あるムースの死」という短いエッセイだ。
     「それは絡まった角と頭蓋骨だけが残った、二頭のムースの姿だった。(中略)静止した風景が、ひとつの物語を語りかけていた。」

     この文には一枚の写真がついている。いや、写真があって文があるというのが正しいだろう。(写真はこの絵本の裏表紙で見ることができる)
     その写真に誘発されて、絵本が生まれた。
     書いたのは星野さんの友人でもあった鈴木まもるさん。
     「ムース」は「ヘラジカ」の別の呼び方で、同じ動物。
     星野さんが見て、感じた「ひとつの物語」を、鈴木さんもまた星野さんの写真で追体験することになる。
     闘う二頭の巨大な雄のヘラジカ。角がからみあい、やがて疲れた二頭を待っていたように襲うオオカミ。さらにそのオオカミを追い払い、冬季の栄養にありつこうとするヒグマ。
     さらには小さな動物たち、厳冬の地で冬を越そうとする鳥たち。
     鈴木さんは、最後に骨になったヘラジカの角の片隅にアメリカタヒバリの巣とひなを描いて終わる。
     
     「ヘラジカを追いながら、ぼくはまたさまざまな動物たちに出会った。ヘラジカがドラマをもっているように、それぞれの動物たちもまたそれぞれのドラマをもっているに違いない。」
     星野さんはまた別のエッセイにそう書いている。
     一枚の写真、一冊の絵本が読者に語りかける、それはドラマだといえる。

    投稿日:2020/11/15

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  • 悲しくて厳しい物語

    星野道夫さんの1枚の写真から想像された物語ですが、説得力と現実感のある物語だと思います。
    2頭のヘラシカがツノを絡ませることになったのは、闘い以外に想像が出来ません。
    それは尊厳をかけた闘いだったに違いありません。
    そこからは想像の世界ですが、いたたまれないほどの悲惨で凄惨な姿で死んでいったヘラシカを想像してしまいました。
    2頭のヘラシカが、なすすべなくオオカミに殺される姿は、自然界というよりも人間社会に共通点を感じます。
    自然界の物語として鈴木まもるさんが創造した物語ではありますが、私は別のものとしての啓示を受け止めました。

    投稿日:2020/11/09

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  • 企画・原案が星野道夫さんで、作が鈴木まもるさんって、どういうことだろうと思って、本書を手にとりました。
    その訳は裏表紙にありました。
    この裏表紙に使っている写真を撮ったのが、星野さん。
    この写真から物語を想像させたのが、鈴木さんだったわけです。

    命の巡りを、丁寧に、それでいて淡々と簡潔に描いてくれているので、とても分かりやすかったです。
    ヘラジカ同士の戦いのシーンはものすごい迫力でした。
    その後、オオカミやヒグマ、ワタリガラスやヒバリたちが朽ちたその場所で生きるために活動している姿は、動物たちの自然を描いているどこかのテレビ番組を見ているみたいで、この世界と同化したように感じることが出来ました。

    星野さんの写真も素晴らしいですが、その写真からこのようなヘラジカの物語を想像して、創造してしまう鈴木まもるさんもすごいなぁと改めて思いました。

    とても見ごたえのある1冊です。
    小学校高学年くらいから、中学生・高校生に読み聞かせで紹介したい作品です。

    投稿日:2020/10/24

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  • 自然界の厳しさ

    星野さんの写真から、この物語を作ったという鈴木さん。きっとこの物語どおりのことがあったのだと思いました。
    角が絡まったまま動けなくなり、誰にも助けられることもなく、命を落としたヘラジカ。もし目の当たりにしたって、助けたくても助けられませんものね。音読していましたが、涙が出てきました。
    オオカミやクマを初めたくさんの動物の命が生きる事に繋がったのか、そう思いながら、何となく手を合わせました。どことなく優しそうで、寂しそうな表紙のヘラジカの顔がふと笑った気がしました。

    投稿日:2021/05/15

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  • 一枚の写真から

    裏表紙の二頭のヘラジカの角が絡まった一枚の写真。
    星野道夫さんが撮影されたこの写真から、星野さんと親交のある、鈴木まもるさんが物語を創作されました。
    一枚の写真から、ここまで迫力のあるドキュメンタリーのようなお話を作られたのは本当にすごい。
    自然界の厳しさ、惨さ、そんな陳腐な言葉では片付けられない物語でした。

    投稿日:2021/04/19

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  • 過ぎた時間に思いを馳せる

    昔カナダに住んでいた頃、ドライブしていると時々ヘラジカに出くわす事がありました。その大きな事といったら!まさに巨体です。
    その大きなヘラジカが2頭絡み合った姿は、一体どれほど迫力があった事でしょう。
    お互い離れようともがき合ううちに次第に衰弱し、最後には他の敵に襲われてしまう。そんな光景を思い描くと、普段忘れがちな自然に対する畏敬と畏怖の念が呼び覚まされました。

    投稿日:2021/03/17

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  • 大自然を生きる動物たち

    少し大きめの画面いっぱいに描かれた表紙のヘラジカの姿に惹かれ、手に取りました。
    2頭のヘラジカがツノをからませたまま骨になった1枚の写真が裏表紙にあります。
    写真家の星野道夫さんが撮影したこの写真を見て、親交のあった絵本作家鈴木まもるさんが物語を作ったそうです。
    大自然を生きる動物たちのドラマを描いた、スケールの大きいお話でした。
    ガシン ガシンという大きなツノがぶつかる音。
    グオッ グオッといううなり声。
    臨場感があって、すぐ近くにいるような感覚になりました。
    ドキュメンタリーを見たような満足感です。

    投稿日:2021/03/17

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  • 受け継がれていく命

    • みいのさん
    • 60代
    • その他の方
    • 東京都

    角が絡まった2頭のヘラジカの頭蓋骨の写真が裏表紙に載っています。
    この写真から推測される大自然の営みの物語ですが、まるでドキュメンタリー番組を見たような気持ちになりました。
    ヘラジカの命がたくさんの動物たちに受け継がれていったことが、分かりやすく伝わってきました。
    あとがきで「偶然」と書かれていますが、作者と星野道夫さんの出逢いは必然だったと思われる作品でした。

    投稿日:2021/03/16

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  • 大自然から学ぶ命の大切さ。

    この絵本が1枚の写真から創られているという事にまず驚きましたが、この1冊の絵本がこれ程まで読む側に大自然の過酷さ、大自然が教えてくれる命の尊さ、そして生きるために必要な物事を全て学べる、考えさせられる本だと思いました。

    子供達は普通、動物は可愛いのでただ、可愛い!とかしか思っていない事も有りますが、実際に大自然に住んでいる動物たちの命を懸けた戦いをこの絵本を通じて学べると思いました。普段だとなかなか考える事も無いかもしれないし、そう言う事を考える機会もなかなか無いかもしれません。

    でもこの絵本ではこのヘラジカのお話を通じて、命は無駄にはならない。無駄になる命は無い。命の大切さ、そして過酷さ。本当に色々な事を考えさせられる素晴らしい1冊だと思いました。

    動物たちの事をもっと知り、そしてもっと生き物、命を大切にするきっかけがこの1冊の中には有ると思います。多くの子供達に、そして大人たちにも是非読んでもらいたい素晴らしい1冊だと思います。

    投稿日:2021/03/12

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  • 背表紙に一枚の写真。
    原案の星野道夫さんの写真です。

    まだ太陽が低い位置にありそうな光。
    澄んだ浅い川の中に横たわる、2体のヘラジカの頭蓋骨。
    その角は、がっしりと絡み合っています。

    「2頭のヘラジカは、なぜ、角をからませたまま骨になったのか」
    ここから、1つの物語が紡がれました。

    2頭のヘラジカの戦いから始まり、その血や肉や骨が、他の動物たちの糧となること、新しい命の誕生のこと、そして、自然の中では、命には一部の無駄もないのだということ。

    鈴木まもるさんの、暖かさに溢れる筆で描かれる物語は、心にグッときます。特に、ヘラジカの戦いの絵は、その迫力に圧倒されました。

    いい本に出会えました。
    たくさんの子ども達に紹介したいです。

    投稿日:2021/03/10

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