「桜島の赤い火」 大人が読んだ みんなの声

図書館のおすすめコーナーで見つけました。
桜島に魅せられたカメラマン、宮武健仁さんの写真絵本です。
噴火や火山雷の決定的瞬間をおさめることができるなんて。その様子は美しく、激しく、迫力があります。
桜島をめぐる自然や人々の解説もあり、大人も勉強になりました。

桜島に魅せられた著者が撮った数々の写真は、どれもが美しく迫力満点。灰色ににごった噴煙、山の斜面を転がり落ちる火山弾、噴水のように噴き出る溶岩、そして噴火時に見られる火山雷という現象。ページをめくる度に、その美しさと迫力に思わずため息が漏れてしまうほどでした。大迫力の写真を見ていると、爆発音や振動も実際に感じてみたくなりますが、臨場感溢れる著者の文章のおかげで、自分もその場に居合わせたような気持ちになる事が出来ました。
噴火の凄まじさだけではなく、桜島や姶良カルデラが出来た過程や、現地に住む人々の暮らし、火山灰を利用した農業など、幅広く知る事が出来て非常に興味深かったです。学校の教科書もこんなに面白ければ、子供達も楽しみながらどんどん知識を吸収出来るのになぁ。

「桜島の噴火」という言葉は、子供の頃からニュースなどで耳にしてきましたが、遠い場所でなかなか身近には感じられずにいました。
そして噴火と聞くと怖いイメージしかなく。
こちらの本は、写真絵本で実にリアルで、桜島を身近に感じることができます。
そして噴火に対するイメージもただ怖いだけでなく、もっと深く感じることができると思います。

私は20代の頃、霧島市に住んでいた若い女性と仲良くしていたことがあります。凄い美人でした。鹿児島空港から彼女の家に行き、霧島神宮、桜島と回ったのを今でも鮮明に覚えています。それだけにこの本は興味深く読ませて頂きました。これは桜島の神秘的な魅力を伝えてくれます。素晴らしい本だと思います。今年の4月25日午前1時すぎ、桜島の南岳山頂火口で爆発的な噴火が起きましたというニュースが入った時、私は桜島と彼女のことを思い出さずにはいられませんでした。