むかし、ねこといぬとねずみと、おとなしいあかいめんどりが、
居心地の良い小さな家に住んでいました。
しかし、ねこもいぬもねずみも怠け者。
家の仕事をするのは、おとなしいあかいめんどりだけでした。
ある日、おとなしいあかいめんどりが、小麦の種を見つけます。
その小麦を育てようと、いぬやねこやねずみに、
何度となくお手伝いをお願いしますが、その度に断られます。
そうして、おとなしいあかいめんどりは、
小麦の粉でお菓子を作るのですが・・・
働き者のめんどりとは正反対に、ねこやいぬやねずみは、
なんてぐうたらなんでしょう。
気持ちいいほどの断わりっぷりに、思わず笑ってしまいますが、
世の中そんなに甘くない。
いいとこ取りなんてもってのほか。
めんどりが作ったお菓子は、当然めんどりが食べるに値するわけで、
「わたしはひとりで おかしを食べます!」の言葉に拍手!!
働かざるもの食うべからずです。
「そうして ひとかけらも 余さず食べてしまった。」
なんて気持ちいいおはなしでしょう。
思わず、うんうんよくやったと褒めてあげたい。
テンポの良い繰り返しと、絵もいきいきしていて素敵!
機会があれば読み聞かせに使いたいが、
少し版が小さいので、少人数のおはなし会ならいけそうかなって思います。
でも、絵が大きめなので、遠めでも見えるかもしれませんね。