原題は〈BEAR’S ADVENTURE〉。
新井 満さんの訳で、〈くまごろうの だいぼうけん〉。
この「くまごろう」って言うネーミングが良かった。
これは、本当に大冒険です。
土曜日の朝、山の上を気球がゆらゆら。
丘へ着地。
乗っていた二人の男は、食事の場所を探しにその場を離れます。
そして、くまごろうの登場。
初めて見た気球に乗って、昼寝をしたら…。
大変、大変。
目覚めてみれば、大都会。
人間がい〜っぱい。
お祭りの仮装パレードに始まり、何をやっても有名になってしまうくまごろう。
ピンチの度に出てくる乗り物。
タクシー、バイク、ヘリコプター、梯子車まで。
これは乗り物大好きなお子さんにうけそうです。
人間の言葉を話せないくまごろうの返答の「ガルルーッ!」が人間たちに勝手に解釈されて、皮肉な程目立ってしまうところが楽しい。
独特の明るめのトーンの絵が綺麗。
背景も美しいですが、登場する人物や乗り物の描写も細部まで凝っていて、目を奪われます。
伊豆高原の彼の絵本美術館を一度たずねてみたいと思いました。