この絵本『ほん book』は、原題もそのまま「Book」。
アメリカの作家デイビッド・マイルズさんが文を書き、
ナタリー・フープスさんが絵を描いています。
物語が書かれている訳ではありません。
しいていうなら、本の世界への旅が描かれているといっていいでしょう。
こういう絵本は文をたどるのもいいですし、
絵だけをじっと見ていく、そんな読む方もあっていいと思います。
表紙見返しにこんな惹句がのっています。
「さあ、すばらしい本の世界へ飛び立ちましょう! そこは、あなただけのとくべつな場所!」
本への旅は、ここから始まっているのではありません。
まずは、表紙。
離陸前のシートベルトをしっかり締めた感じでしょうか。
そして、この見返しは離陸前の機内アナウンス。
なんだか、もうワクワクしてきませんか。
開いた本はどんな世界ですか。
この絵本では「まほうの森」と書かれていますが、
もしかした海辺かもしれないし、無限の宇宙かもしれません。
あなたが手にした乗車券は、あなたの思うままの世界へ連れていってくれます。
最後のページに本を抱きしめる男の子が描かれていますが、
それはきっとあなた自身。
この絵本は読者に本への旅を誘ってくれます。