今も活躍している黒柳徹子さんと、戦争体験が結びつかなかったのですが、改めてトットちゃんのエピソードとして感銘を受けました。
乏しかった食べ物をポイントに描かれた物語は、軽妙ではあるけれど、生きるということに直結していて、想像することができないほど過酷な状況を想像しました。
1日の食べ物として渡された物が、大豆15粒だけだったら、人はどんな思いになるのでしょう。
夕ごはんの分も入っているから、それを考えて食べなさいと言われたのです。
お母さんは、トットちゃんにいろいろと考えさせたかったに違いありません。
空腹を我慢しながら、トットちゃんは様々なことを考えます。
そして考えて考えて、家に帰るときに7粒の大豆を残すことができました。
そして、何よりも家族が無事だったことに幸せを感じるのです。
共感するにはあまりにも隔絶感のあるエピソードです。
でも、黒柳徹子さんらしい戦争体験であり、食欲という生きるための必須要素を通して、実感できるお話でした。
絵も文章も明るいので、不思議な戦争体験ではありました。