この絵本を何気に手に取ったとき、家族の愛が詰まっていてとても心温まるストーリーだなと思いながら読んでいました。
せんせいが投げかけた
「いちばんだいじなたからものもってきてね」
という言葉に、なつかとたくやはそれぞれの宝物を赤ちゃんの頃のエピソードをママと振り返りながら探します。
なつかもたくやもママにとっても愛されて育っているんだなーと単純に感動していたのですが・・
読みすすめているとこのなつかは「あかちゃんのいえ」からやってきたという文章が目に留まりました。
この絵本にはとても重大なテーマがあったことに気がつきました。
ママのおなかから生まれたのではなく、養子縁組で里親家庭に育てられているのです。
どのような背景があるのかはその子どもそれぞれでしょうが、里親としてなつかを娘として受け入れたママは本当になつかを待っていたのよという思いが伝わってきます。
ピンクのハンカチに包んだ小さな小石・・
これはなつかが初めてママにどうじょってプレゼントしてくれたママにとっては宝物の石なのだそうです。
養子縁組で里親さんのもとに行った子どもさんは3歳のお誕生日に「赤ちゃんの家」に来たことを教えられるのだそうです。
最後の一文が心に響きます。
ママの一番の宝物は・・・小石ではなくて・・
ママのおなかから生まれて育てられるのが当たり前だと決め付けるのではなく、互いに思いやり愛情を育みあってこその家族です。
始まり方はそれぞれであってもよいのだということを感じさせてくれる絵本です。
子どもと読もうと思って手にした本でしたが、大人の方におすすめではないかと思います。