ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ の手によるマドレーヌシリーズ作品第一作目。
(第二作目が「マドレーヌホワイトハウスへいく」でしょうか?)
お見事!と思わず言いたくなる完成度です。
祖父ルドウイッヒのシリーズ作品でお馴染みの名所を紹介するスタイルを踏襲し、さらに簡略な地図を加えるなど新しい試みも違和感なく添えられています。
なんといってもマドレーヌのアップがとても魅力的に描かれています。
お孫さんの手で、見事にマドレーヌは甦った!という感があります。
さて、お話の舞台は、ローマ。
パリの空は、くる日もくる日も暗くしずんだ空。
そこで、ミス・クラベルと12人の女の子たちは、お日様に誘われ南のローマへやってきました。そこは、もう春です。
遠足というのには、ちょっと遠出。ん〜、修学旅行のような感じかしら?
でも、いいですねぇ〜、ちょっとローマまでっていう気軽さと、ゴージャスな旅行。
サン・ピエトロ広場・スペイン広場・トリトーネの噴水・システイーナ礼拝堂・フォロロマーノ・トレビの泉と、出てくる出てくる名所旧跡。
ローマ観光一日目の終わりに、記念写真撮影のためのミス・クラベルのカメラが、ちいさな泥棒さん(カタリーナ)に奪われて、・・・。
愛犬ジュヌヴィエーヴと追跡するマドレーヌでしたが、見失います。
が、途中で出会った野良猫に導かれるようにたどり着いたのは、一軒の空き家。中に入ると、・・・。
エンデイグもまた、このシリーズ作品らしい終わり方。
おはなしの筋も読みごたえありで満足満足。
江国香織先生の訳が、瀬田貞二先生同様上品で楽しい言い回しです。
3・4歳頃のお子さんから楽しめるのではないでしょうか。