体を真っ二つに切られるという とんでもない設定なのに、後からやってくる、このほんわかとした なんとも言えない笑いは、いったいどういうこと?これぞ、「落語」の魅力なのか!と感じました。きっと、落語には少しの「毒」が必要なのですね。「怖さ」「気味悪さ」がその後の あっけらかんとした笑いを引き出します。
「笑い」を活力にし、生きる力としてきた民衆の知恵、したたかさはすごい。嫌なこと、つらいことがあっても、落語を聞いて「わはは」と笑い、気分転換したら、「また、明日から頑張ろう」と思えるのです。
そんな落語を伝えてきた落語家、落語ファンの思いは、途切れず 今に伝わっています。そして、「絵本」という新しい形で、また伝わろうとしています。これって、いいな♪と思いました。
石井聖岳さんの、ちょっと とぼけたような楽しい絵が、この落語の魅力を引き出していて、おすすめの絵本です。