これまでも、「きたむらさとし」さんの絵本を読んだことがあるのに、なぜか私は彼を外国人だと思っていました。
独特の色遣い(特に絵本全体を包み込むような青色)、街並み、登場する人物などから勝手に決めつけていたんですね。
彼がイギリスに住んでいることや原作者が外国人であることも、私が勘違いをした要因だと思います。
なんにせよ、彼がどこの国の人であろうと、その絵を一度見たら、忘れることはないでしょう。
『ふつうに学校にいくふつうの日』は、主人公の少年や彼をとりまく環境が「ふつう」であるということが強調されています。
「ふつう」ってどういう状態のことを言うのでしょうね。少年の「ふつう」と私の「ふつう」は同じなのでしょうか。
新任の先生のおかげで、少年はふつうじゃない世界を想像することを知ります。この先生のように、ちょっと手伝ってやれば、子どもたちは想像力を引き出すことができるのです。
実際、毎日の生活も良く見てみれば、「ふつう」なんてことは一つもないはずです。何事も「ふつう」ではないという心の目を、子どもたちにはしっかり開いて欲しいと思います。
大人たち、特に親や先生は、子どもたちの想像を促してやるのも壊してしまうのもできるのです。とても難しいことですが、大人の役割はとても重要だと改めて思った一冊でした。