林明子さんって、どうして小さな女の子を描かせるとこんなに心に響いてくるんでしょうね。
この本も、例に漏れず挿絵が素晴らしいです。
さきゅうまちに住むおばあちゃんから、あきを見守るために派遣(笑)されたぬいぐるみのこん。あきとこんはいつでも一緒で、二人で一人が完成するような間柄です。こんが古くなりほころびてしまったので、あきとこんは一緒にさきゅうまちまで旅に出ます。あきが、旅を通して少し成長する物語です。
よく旅行するうちの娘も、旅の道程の描写ではとても共感するらしく、色々とコメントしながらわくわくしているようです。そして、こんが犬に連れ去られる場面では、あきと一緒にハラハラドキドキ。広い広い砂丘や海という場所が、あきの心細さをよく表しています。こんの「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という言葉が心に残ります。無事におばあちゃんの元へたどりつく場面では、読んでいる私がホロリ。あきちゃん、よく頑張ったね。