本当に素晴らしい絵本。
こんはまるで、あきのおにいちゃん。あきを守らなくちゃ!と一生懸命で、前半はこんの健気さに惹きつけられます。
でも、後半にこんがピンチになると、それまではこんに助けてもらうばかりの幼く弱い女の子だったあきが大奮闘!
きっとこんの愛情のおかげで、知らぬ間にあきは成長していたのでしょうね。だから、ここ一番の時に踏ん張れる素敵な女の子になっていたんだろうな、とあきの成長にじーんとします。
そしてラスト、いままでのしっかり者キャラからうって変わって、お風呂を嫌がるこん。
ああそうか、こんも本当はお風呂が嫌なくらいの幼い子供だったのに、あきを守るために必死で背伸びして、頑張ってたんだなあ・・・・ということが伝わってきて、これまたじーんとします。
こん(お兄ちゃん)側から読んでも、あき(妹)側から読んでも、それぞれの健気さや、ひとりじゃなくてふたりでいることのうれしさ、ありがたさが伝わってくるのです。決して「泣かせるぞ〜」っていう本ではないのに、兄妹をもつ親御さんが読んだら、涙腺崩壊ではないでしょうか。
そして絵も、ぬいぐるみ(動物)や幼い子ならではのしぐさの愛らしさがとらえられていて、素晴らしいです。