林明子さんの絵本はどれも大好きですが、母親の私が一番好きなのはやっぱらこれかなあ。
もう、読むだけでなんだかほっこりして、映画を一つ見終えたような気分になります。そもそも、こんはぬいぐるみなんですが、冒頭からすっかり生きているような自然な描き方で、すんなりと私たちをこんの生きているファンタジーの世界へ引き込みます。
そして、こんはアキが産まれた時から一緒にいるので、アキのお兄さんのような、保護者のような気分でアキをリードするのが何だかとても新鮮です。
大抵、ぬいぐるみは主人公より小さいし、主人公の方がリードする物語が多い気がするのですが。
でも、やっぱりぬいぐるみだから、リードしきれず、失敗やハプニングもあって・・・読んでいるこちらもドキドキ。
息子もこんが埋まってしまう場面で毎回「あきちゃん、そこ!こん見えてるよ!」と言います。それだけ、入り込める物語なんですよね。
後半ドキドキしたあとの、おばあちゃんが出てきてからの安定感!もう何一つ心配ないような気分になって、温かくラストを迎えます。
子どもと一緒に最後、「よかったねえ」と笑い合える、本当に大好きな絵本です。
3歳くらいから、男の子も女の子もぜひ!