林明子さんの本はいずれも魅力的ですが、母的にストライクゾーンだったのはこの本です。
まず最初に、こんとあきの、成長の対比。それがなんと1Pで描かれています。これだけでも、もう泣きそうです。某生命保険会社の、写真で作られたCMと同じ匂いがして、だめなのです。
そして林さんのイラスト。どうしてこんなふっとしたしぐさを、絶妙のアングルで描かれるのでしょうか。これもまた、妙に心のヒダに入り込んできて、だめなのです。
子どもたちは、おかまいなく、この本を持ってきます。できるだけニュートラルに読みたい気持ちがあるのですが、これは母的な気持ちを出さないようにするのに、結構労力を使います。
それを知ってか知らずか、小さいほうは口を半開きで、大きいほうは細かな描写を一つ一つ追って教えてくれます。
唯一の救いなのは、大きいほうが、あきがさきゅうでこんを探すとき、「ここにうまっとるよ」と言ってくれることでしょうか。