「謎解き」「推理」をメインとするパズル的なものを集めた短編集。20分程度で読み終わるが、軽すぎず、重すぎず。
この巻では、少年少女(10代まで)が登場する話が5話。
・王妃のネックレス モーリス・ルブラン
※アルセーヌ・ルパンの子ども時代の話
・ビルの中の目 手塚治虫 ※漫画
・木野塚探偵事務所だ U 樋口有介
・シンデレラ 近藤史恵
・幽霊御入来 山田風太郎
いろいろな時代の子どもたちの様子が作品から感じられて、おもしろい。
木野塚探偵事務所は、子どもがメインではない。実際に出てくるのは中高年だが…青臭さ満載な感じが、中高生みたいだからここに入ったのだろう。青春時代のアイドルだった大物女優との出会いが、いかにも推し活☆全開な鼻息の荒さで、汗臭い。
ルパン(三世ではない、元祖の方)などは、有名過ぎて逆に読んだことがない人が多い、という編集者の思惑通りだと私も思う。昭和〜令和にかけて、三世の活躍が大きすぎて、初代の影が薄くなっている?
どの作品も、それぞれの世界観がしっかりあり、印象的だ。
きわどい描写はないので、安心して読める。
中高生向けで出版されたのかもしれないが、中高年にも優しい「大きめの活字」「見やすい文字の配置」「解説付き」の新設設計。
赤木かん子さんが手がける短編特集は、年代を超えて、読書をたのしめるので、おススメだ。