やどかりと一緒に1年間、海の中を冒険をすることができます。エリック・カールさんは、やどかりを子ども達に見立てているようですね。自然の中ですくすくと成長し、そしてどんな苦難に遭遇しても、自分で乗り越えてほしいと。
この絵本の中でやどかりは、自分のかいがらの家をどんどん居心地よく、そして外敵から身を守るため、様々な工夫を凝らし、自分のかけがえない友達を見つけていきます。
そうやって過ごした1年間。やどかりがまた、成長して大きくなりました。今のかいがらの家も窮屈になってきてしまったのです。新しい家を探さなくてはいけないのですが、自分を守ってくれたかけがえのない友達の存在について、迷いに迷います。でもちゃんと解決方法を見つけて、新たな冒険に出るやどかり。このあたりは、なんだか人間の子どものようですね。1年間、慣れ親しんだ環境を捨てて、新しく旅立つことも必要だということ、だからといって自分の周りの友達をすべて捨てきって、旅立つのではないということ。すべてを含めた成長だということ。
やどかりの成長に、ついつい自分の子どもの成長までも重ね合わせてしまい、考えさせられてしまいました。