娘の部屋に飾ってあるいわさきちひろのカレンダー。「名作えほん」の絵を集めたものの中に、「あおいとり」もあり、いつかこの絵本を読んでみたいな、と思っていました。
カレンダーにあった絵は、「よるの くにの はなぞの」の場面でした。チルチルとミチルが、扉を開けると、真っ青な鳥が百羽も千羽も飛んでいて、2人は目を輝かせながら青い鳥に向かって両手を広げている絵です。
この絵に象徴されるように、名作えほんの中でも、夢に溢れる作品だと思うのですが、娘は、あまり好きではなかった様子。「幽霊が出てきたり、青い鳥が逃げちゃったりしたところが、少しこわくて、悲しい」と感じたからだそうです。
母になって読む「あおいとり」のイメージは、独身時代に思い描いていたものとはまったく異なり、しあわせの意味も、価値も、時と共に、また、自分の置かれた状況によっても、変化していくものなんだな、と思いました。
「このよで いちばん すばらしい、とうとい しあわせ・・・それは、こどもを あいする おかあさんの しあわせでした」
若い頃は夢ばかり追いかけていたけれど、今は、夢よりもしあわせな現実の中に生きている、そんな気がします。青い鳥は、本当に、誰の心の中にもいるんですね。