1979年に出版されている絵本ですが、最近まで全くその存在に気付きませんでした。トレーシングペーパーの使い方が見事でそれはそれは美しい絵本です。オニグモが巣を張るところを丁寧にそして美しく描かれてあります。
私には避けて通りたい蜘蛛ですが、この絵本を通してすこ〜しだけ、親しみを覚えました。最初と最後だけ短い文章が添えられていますが、あとは読者が感嘆の声をあげながらページをめくっていきます。蛾が巣にかかったり、風が吹いて巣が破れたりする場面では「静か」にその音が感じられます。こういった静かな絵本もいいものですよ。