作者の89才の父は北海道弁で語ります。
「あの人たち、どうしてるべな。」
あの人たち、というのは、戦時中強制連行で連れて来られた中国・朝鮮の人々。
戦後、やっと平和なりんご畑での収穫を楽しみにしてた父は、
信じられない光景を目にします。
炭鉱で働かされていた中国・朝鮮の人々が、収穫目前のりんごを食い荒らしていたのです。
彼らの気持ちがわかるけど、自分も家族を養わなくてはならない・・・。
そのジレンマの中で、父は彼らにやめて欲しいと懇願します。
あの、児童文学作家後藤竜二さんの作品です。
絵は油絵でしょうか、りんごや木々のデッサンが重厚なお話に映えます。
紅玉りんごをめぐる、人々の想いが交錯します。
2006年課題図書のようですね。
なるほど、です。