2010年刊行。太陽のしくみ、太陽の光を利用した技術を紹介する科学絵本。酸化チタンという白い粉(昔から塗料などに白い色を出すのに使われている鉱物)が、太陽の紫外線が当たるといろんな働きをする様子を実験で確かめる。実際に身の回りで使われている様子も紹介。
難しそうなタイトルだが、科学の知識が全然ない人でも理解できるように工夫されている。
太陽のこと→太陽の光が届いている様子→光を利用した発電などの身近な技術、という順番で絵が展開していくので、少しずつ身近なこととして受け入れられる。
また実験では、1つの実験で1つの働きを丁寧に紹介してくれる。
・色水の色が消える実験:光触媒の「分解」する働きを解説
実験の様子は写真でしっかり確認できる。仕組みの解説は、わかりやすいイラストで、一目で理解できる。そして、実際に使われている例が書かれている。
この絵本を見ると、光触媒をいろいろなことに利用して、人の役に立つ様子を想像できる。医療や環境保護、農業や清掃、各種の産業、道路などなど。いくつかの課題も正直に書かれており、研究者や本書の製作者たちが、次の世代に期待を寄せていることも感じられる。
子どもが読んでももちろん良いものだが、科学オンチの大人にもおすすめだ。難しい方程式や数字はないので、絵を見ているだけでなんとなく理解できてしまう親切設計。