私は、ひいおじいちゃんひいおばあちゃんには、写真でしか会った事がありません。
ですから、花山先生ご自身の体験をもとにしたこの作品は、とっても羨ましく感じました。
お話は、主人公の女の子が、母方の実家にに行き、ひいおばあちゃんの部屋から転がって来たビー玉を拾い、おばあちゃんに返しに行ったところから始まります。
ひいおばあちゃんは、そのビー玉をとても古そうな缶にしまって、それがひいおばあちゃんの宝物が入っていると教えてくれます。
そして、女の子はひいおばあちゃんの宝物を見せてもらい、ひいおばあちゃんにも、女の子と変わらない幼い時代があった事に気づきます。
でもひいおばあちゃんの幼い頃は、今とはずいぶん様子が違い、・・・・・・。
ビー玉が、ひいおばあちゃんにとって宝物である事の理由に、同じような経験のある私は、ちょっと笑っちゃいました。
宝物缶から、タンスの取っ手が出てきた時には、なんとも切なくなりました。
小さな缶の中に入りきらないくらい、たくさん詰まったひいおばあちゃんの人生と思い出が、ひいおばあちゃんの胸の中にはいつもあるのだなぁと思いました。
高齢社会の今、曾孫さんとこんな交流を持つ方もこれからは多いのではないでしょうか。
エンディングで、女の子がひいおばあちゃんと約束したことが実現していることを願います。
ひいおばあちゃんにとって、良い思い出がまた一つ増えるのですから。