注目すべき初期の傑作とあるように、1982年のクリス・ヴァン・オールズバーグが33歳の時の作品です。
今と画法が異なっており、「2ひきのいけないアリ」と同じ手法で描かれています。
主人公のベンとマーガレットが、午後の野球の約束まで時間があるので、お互い明日の地理のテストの勉強をするので、自転車で家に戻るシーンから始まります。
ベンは、地理の教科書を開いていたら睡魔におそわれ、気づくと家が水に浮かんで世界の名所を巡っているのです。
文字のないページが続きますが、見開きを使った大きな構図に引き込まれてしまいます。
そして、マーガレットに起こされるて夢から覚めるのですが、エンディングでは驚愕の事実がわかり、果たしてそれは夢だったのか?不思議な余韻を残して物語は終わります。
果てることのないオールズバーグならではの不思議な世界が展開します。
彼の作品を知る入門書として相応しい作品だと思います。
世界の名所を知らないと物語に馴染めないので、地理好きの小学生高学年くらいからが対象かと思います。