普通に暮らす、普通の犬。でも、やせっぽっちでブサイクで、とても弱弱しく見えることが悩みでした。散歩途中に会う大きな犬が、怖くてたまりません。ライオンにあこがれていろいろ試してみるのですが、ますますブサイクに・・。でも、大きな犬にも、悩みがあったのです・・・。
ライオンにあこがれ、いろいろ試みてみるブサイク犬の姿が、ちょっとシュールで悲しげです。たてがみを作ろうと育毛剤を塗ったりいっぱい食べ過ぎてデブのおじさんのようになってしまったり・・。
読みススメながら、あまりのブサイク犬の悲惨さに、ちょっと心が痛くなってしまいますが、でも、最後の大きな犬の言葉にほっとさせられます。
みんな、他の誰かがうらやましいと思いながら、それぞれが悩みを持っているんだよ。みんな、それぞれ、きっといいところがある!
ちょっとシニカルな、でも、心が少し温かくなる作品です。
木版画で刷られたイラストも、味わい深くすてきです。
息子は「おじさんみたいなブサイク犬が面白かった!」と言ってました。