上橋菜穂子さんの文章は、まるで物語の世界にいるような気持ちにさせてくれ、長さを感じずに、面白く読み進めました。
壮大なファンタジーを読み終えてから、影山徹さんの表紙の絵を見ると、主人公ヴァンの人生が心に蘇ります。
書き上げるまでには、三年かかったこと。トナカイ遊牧民について、国立民族博物館の教授のご助言や、医師である従兄弟の力添えがあったこと。『破壊する創造者』という生物進化論に関する本などとの出会いなど、多くの本や人々に支えられて完成されたことを、あとがきから知りました。
物語の最後は、じわーっと温かいものが心に流れてきて、満足した終わり方でした。