私の好きな道尾秀介さん、絵本をだしていたと知り、嬉々として手にとりました。
侮っていました。
そこが道尾秀介、ともいえるのですが、全然子供向けではありません。
一匹だけの緑色のウサギ。
みんなと仲良く遊びたいのに、一匹だけ色が違うのでいつも仲間はずれ。
人生を悲観し、崖から飛び降りました。
危機一髪、仲間のウサギから助けられた緑色のウサギ。
他のウサギたちと和解し、楽しい毎日が始まりました。
そこで話が終わるなんて、道尾秀介ではありません。
幸せな日々はあっという間に終わりを告げました。
他のウサギは人間たちにより銃殺されてしまったのです。
緑色のウサギだけは、草にまぎれ生き延びることができました。
ここからの数ページがとても余韻の残る素敵な展開になります。
仲間がいるのに、避けられる孤独。
心を通わせた仲間を失う孤独。
二つの孤独の対比が凄いです。
とても残酷なお話で、とてもじゃないけど子どもに勧めることはできませんが、良い絵本です。