えほん世界のおはなしというシリーズの中の一冊です。
6〜7年前、娘が、弟の入院の為に祖父母の家に預けられた時に、買ってもらった本です。
一番最後の所に「○○ちゃんへ 一ヶ月ものながいあいだ とてもおりこうさんで がんばったね おばあちゃんより」と書いてあって、今見ても、胸が締め付けられるような思いがします。
さて、この本のポイントは、「このお話、知ってるよ。でも、ちょっと違う」というところです。
オオカミに家を吹き飛ばされた子ぶた達は、食べられてしまい、最後に残ったレンガのお家の子ぶたは、オオカミを手玉にとった挙句、オオカミをゆであげて食べてしまうという結構凄い話です。
でも、いもとようこさんの可愛らしい絵なので、残酷な感じは皆無です。
小学校の図書室で読んだ(1年生〜3年生中心)時に、「みんなの知ってるお話と、ちょっと違うかもしれません。よ〜く聞いててね。」と前置きして読み始めると、子ども達の食いつきがとても良く、目を見開いて聞いていました。
これに気を良くして、1年生の教室で読んだところ、子ぶたが食べられるところで息を呑み、本を閉じると「怖かった」と言い出す子どももいました。
締めくくりの文章が
それからは、子ぶたは ずうっと しあわせに くらしました。
というのですが、その時に、「どうして? ひとりぼっちになっちゃったのに、しあわせなの?」という声があがり、思いがけない感想に、読んだ私の方が驚いてしまいました。
子どもによって様々な受け取り方があるものだなと改めて痛感した、思い出深い一冊です。