冬の真夜中。
森の農場では、人も動物も、ぐっすり眠っています。
人々は寝床で丸くなり、暖炉に夜通し火を絶やしません。
それくらい厳しい冬の夜、毎晩毎晩見回りをして、人や動物を守っている小人がいます。
人間には見えず動物には見えるその小人は年をとっていて、いつから住み着いたのか分かりません。
でもみんな、その存在を知っています。
朝になると、雪の上に点々と小さな足跡が残っているからでです。
厳しい寒さが続いても、見守ってくれている存在があるのは、とても心強いものです。
だからこそ、朝に見つける小さな足跡は、みんなに安心をもたらすのですね。
「冬はきて、 また さっていく もの
夏はきて、 また さっていく もの」
小人がつぶやくこの言葉が、とても心に響きます。
たとえ人間の私には聞こえない言葉だとしても、枕元で小人にささやいてもらいたいと思います。