絵を描いた植垣さんは、このお話がとてもとても好きなんだろうなぁと、思いました。
表紙を開けて最初にタイトルと一緒に書き出されているページで、
(ト書きのようなこの文章の)「……ある小さな官衙に関する幻想」という一文を丁寧に描いていらっるなというのが、第一印象でした。
一匹一匹の猫の描写も、宮沢賢治が作品の中で書いている個性を大切に描かれているのを感じました。
なにより、最後に登場する獅子の画面いっぱいに描かれたアップといい、その表情といい、個人的にはすごくツボでした。
しいて言うと、次のページの獅子の影も、もう少し怖い感じでもいいんじゃないかなと、思いましたけど。
読み聞かせに使うには15分ギリギリかかってしまうかもしれませんが、機会があったら、小学校高学年から中学生・高校生くらいのお子さんたちに読んでみたいです。