5歳の息子が猫の表紙を気に入り、ジャケ買いした『猫の事務所』が手元に届きました。
「読んで!」と さっそくせがまれましたが、夕餉の支度に忙しく、「後でね。」とだけ言い、バタバタしていると、諦めたのか、一つ下の弟と表紙を眺めたり、ペラペラページをめくり始めていました。
「猫の学校かな?」「おべんきょしてる。」
と興味深そうに二人で見ていましたが、
「泣いてるー!」「がっしゃーんってなっちゃってるよ。」
の声に、私も首を伸ばして絵をみると、いじわるそうな猫に、おいつめられた猫の困り果てた顔。
「楽しいお話ではないのかな。」と思いました。
そして 夜、ようやくゆったりした気持ちで絵本を読み始め、学校→事務所、おべんきょ→仕事 と理解できましたが、その内容には、思わず絶句。 横で静かに聞いている息子が どう思っているのかドキドキしてしまうほど、胸が苦しくなるお話でした。
本を閉じると、そのまま目をつぶって眠ってしまった息子ですが、その寝顔を見ていると、絵を見て感じとる力が、人の気持ちや 自分のすべきことを想像できる力に育ってほしいと願わずにはいられませんでした。
息子がもっと大きくなった時、一緒に読んだらどう思うだろう、と考えさせられる絵本でした。