「ウルトラマン」が始まったのは1966年7月。今年(2016年)が生誕50年になる。
先日もNHKBSで「ウルトラQ」から「ウルトラマンレオ」までの名作を紹介する番組が放映されるなど、今でも人気が高い。
小学生から中学生の頃に「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」に出会ったことは何らかの影響をその後の人生に与えているやもしれない。
でも、あんな巨大な怪獣をどんなふうに作っていたのだろう。
子どもたちの興味は怪獣の情報だけでなく、そういう制作現場にまで広がるのだろう。
この本は絵本の形態にはなっているが、作者は実際に怪獣映画の製作現場に関わって、あのウルトラマンの「スペシウム光線」を作っていた人だ。
なんと初代「ゴジラ」(1954年)では美術助手として参加していたというから年季がはいっている。
この絵本を読むと、映画が総合芸術と呼ばれるのがよくわかる。
実にたくさんの人がさまざまな現場に関わっている。
特撮というのは普通の映画にはいない特撮監督とかがいる。「ウルトラマン」の生みの親円谷英二もその特撮技術で名を馳せた映画人だ。
「ウルトラマン」シリーズの魅力は特撮技術だけでなく、金城哲夫や佐々木守といった気鋭の脚本家や実相寺昭雄といった個性のある監督もはずせない。
もちろん、この絵本の作者いいづかさだお(飯塚定雄)もそんな一人だろう。
「ウルトラマン」はまさに昭和という時代が作ったヒーローだったにちがいない。