シンプルな絵、シンプルな文章で種から始まる物語を描いています。
迫力のある色遣いで、実物を是非見てみたいと思いました。(きっととてもきれいな色なのだと思います)
絵はとても良いのですが、話の流れの中に見える作者の主張がちょっと強いように思われます。
花が咲くところまでは、一気にぐいぐいと読ませますが、花が咲いた途端に枯れたので、ちょっと戸惑いました。
言いたいことはすごく良くわかるのですが、急がずに、花となって咲き誇っているところをもう少し描いて欲しかったです。
また、最後の文章「おおきな おおきな たねは おおきな おおきな いのちにかえりました」は、ストレートすぎて絵本にはどうかと思います。
絵本の形式をとっているので、文章で安易に語ってしまわずに、絵で読み取ってもらうくらいの心配りが欲しいと思いました。
最後の最後で大人の目線で声高に主張してしまうので、せっかくの迫力のある絵で描いてきたここまでの過程が色あせてしまい、残念でした。