泥さらいをしながら他の仕事でも小遣い稼ぎをする少年イール。
悪人から身を隠すように生きるイ−ルには何か秘密があるようです。
盗みの疑いを晴らすための証人がコレラに感染し、そこから物語が大きく動き出し、謎解きの要素や実証していく過程に引き込まれました。
読んでいくうちに、「児童労働 盗み みなし子 イギリス」という言葉から子どもの時に読んだある物語が浮かんできました。
そう「オリバー・ツイスト」です。調べてみると「オリバー・ツイスト」は1838年、この史実があったのが1854年。
「オリバー・ツイスト」がベースにあるのかなと思いつつ読んでいたらますます楽しくなりました。
残念ながらイールは架空の人物ということですが、医学の歴史が塗り替わる時のワクワクした瞬間がわかりやすく伝わってくる作品でもありました。