環境についての話し合いをしながら、頭の中では、もっと豊かになって、欲しいものがどんどん手に入る裕福な社会を望んでいる。この事実を、一国の大統領が、国際会議の場で指摘するというのは、とても勇気が必要だったことでしょう。「わたしたちは発展するためにこの世に生まれてきたのではありません。幸せになろうと思って生まれてきたのです。」「水不足や環境の悪化が、いまある危機の原因ではないのです。ほんとうの原因は、わたしたちがめざしてきた幸せの中身にあるのです。見直さなくてはならないのは、わたしたち自身の生き方なのです。」どの言葉も、耳が痛く、だからこそ心に刺さりました。絶えず訪れる物欲や見栄に流されそうになった時、自分を諌めるためにそっと開きたい一冊です。