小さな町に、Life(ライフ)というお店がありました。
そのお店には、定員さんはいません。値札もありません。
Lifeというお店は、必要なものや気に入ったものがあれば持って帰ることのできるお店です。代わりに、自分が使わなくなったものや誰かに使ってもらいたいものをおいていくお店です。
冷たい風が吹いた日です。
一人のおばあさんがやってきました。
おばあさんは、花の種を持ってきたのです。
花を育てることが大好きだったおじいさんが亡くなってしまって、花を育てる気になれなかったからです。
おばあさんが帰った後も、男の子や、赤ちゃんを連れた夫婦、それから少女がやってきて、何かを置いて花の種を持って帰りました。
季節は流れて再び春になったころ、おばあさんは再びLifeを訪れました。
悲しみに沈んだままのおばあさんが見たものは……。
この絵本を読んで、涙が出そうになりました。
一人で生きているんだと思いがちな私たちに、あなたは一人じゃないよ、いろんな人に助けてもらって生きているんだよ、とささやきかけてくれる絵本です。
小さなお子さんにというよりも、児童や大人に読んでいただきたい気がします。