『ぴっぽのたび』があまりにもすてきだったので、イタリアから送ってもらい、原語のまま読みました。翻訳は実によく練れていて、物語りを上手に引っ張ってくれています。
イラストはこれまで同様幻想的ですてきですが、赤の使い方がとても効果的で、大人の読者を惹き入れる力をもっています。
愛のためにすべてを尽くそうとするクロの気持ちと振る舞いが切ないほどに伝わってくるし、力尽きたクロをやさしく包むシロのやわらかいしぐさと表情が何とも微笑ましい。若い学生さんたちにも読んでもらいました。「こんな愛の姿って日本にもあるのかなぁ」とため息交じりに感想を言ってくれました。