青の夢の中のような柔らかな世界で広げられる
クロとシロという2匹の猫のストーリー。
大好きなシロのために
贈り物として湖に浮かぶキラキラ光るものをプレゼントしたいクロ。
ところが取れるのは葉っぱや貝殻で・・・
ほとんどが青と白の濃淡を使った色で構成されているので
温かみの出る赤い色はポイントになっています。
クロが湖から取る葉っぱなどの「キラキラ」じゃないもの、
どれもハート型になっていて赤い色なんです。
読者はそのカタチ、色を見て
「クロ、それでいいんだよ」と早いうちから気づくんじゃないかな。
水に映りこむ星を取って愛する人にあげたい!
少し考えれば滑稽な行為。
それでも静寂の色ばかりの中で、クロとシロのほっぺと耳も赤いので
二人が懸命に取り組んでいる温度も伝わってきて、
もどかしくても微笑ましいなと思います。
「キラキラ」はどこに。
読者にはずっと提示されていたような答えの結末に
安心しながら絵本を閉じます。
絵の雰囲気、構成が素敵です。
ハートがたくさん出てきます、読むと幸せを分けてもらえるような
そんな温かい、可愛い絵本です。