この作者である、なみかわ みさきさんは、高校在学中にこの作品を書いたという。
これはすごい!
実にスケールの大きな作品です。
海でビー玉を拾った僕。
コップに入れて振ったら、なんと、海になった。
僕は、こうして、海の「おっちゃん」になった。
黒井健さんの絵が、実にしっくりときます。
温かみがあって、大きくて、優しくて。
正直にいいますと、最初のところで、あー、ありがちなメルヘン、と思ったのです。
でも、読み進めていくと、これがありがちの域をすんなりと超えてくるんです。
え? なんでそんな展開になるん?
(このお話、関西弁で描かれています)
うわあ、困ったことになったなあこの坊主。どないしよ〜。
ただのお話なのに、つい、そんな風に考えてしまうのです。
この主人公の男の子の気持ち、ずしんと伝わります。
この男の子のお父さんがまた、実にいいですね。
強くてがっしりしていて、頑固者で、でも、子供の目線に立ってちゃんと伝わるように話してくれる、とっても素敵なお父さんです。
ちょっと変わった夏のお話が読みたくなったら、いかがでしょうか。