きたやまさんの絵本に登場する主人公は、大人の私が自分の心の片隅に追いやってしまったほんの些細な気持ちを代弁してくれることが多いです。
この本では、宝物を貸したくはないんだけれど、成り行きで貸してしまった形になってしまった、くまざわくん。そして、返してほしくて遠回しにせまってみるけれど、肩すかしをくってしまうくまざわくん。最後に返してもらって、返してもらった宝物も嬉しいし、何よりも返してくれたいぬうえくんに悪意が全くなかったことがわかって嬉しいくまざわくん。こんな、くまざわくんの気持ち、子供のころに感じていたなあと、どこか懐かしく、そして、ほろ苦く思い出してしまいました。
シリーズ4作目だそうですが、最初に読みました。1、2、3もぜひ読みたいです。