私にとってレオ・レオニの作品は、ストーリーはシンプルなのに、含んでいる意味が
深すぎて、正直なところ、よく熟せないことが多いのですが、この『アレクサンダ
とぜんまいねずみ』ほど、すっと心の中に入ってきて、そして最後に心温まる話は
なかったかもしれません。
本当に陳腐な言い方ですが、いい話だなと思います。
そして、絵本で使われている“柄”がとても素敵なのと、あの印象的な“とかげ”の色
が目を見張ります。“紫色の小石”もとても神秘的で、満月の夜のとかげが願いを
叶えてくれるページがとても素敵でした。ステンドグラスを見ているようでした。
もしかして、あの“とかげ”はあの綺麗な紫色の小石を吸い取ることで、あの素敵な
色を蓄積していったのかな?
自分がアレクサンダだったとしたら、機転が利けば、同じ選択をしたかもしれません。
とかげ、アレクサンダのねがいをかなえてくれて、ありがとう!
こんなちょっと神秘的で心温まる話を、子供に読んであげれてよかったです。