この図書がジュニア新書で出版された事に、とても重い意味を感じました。
著者はあの未解決の世田谷事件の関係者(被害者家族の姉)であり、被害者宅の直ぐ隣に住んでいました。
あの事件で、著者を被害者関係者にも被疑者にもされ、周りから視られる存在になってしまいました。
事件は悲しみだけではなく、喪失感、無力感とマイナスの圧力をかけ続けます。
それらに耐えることではなく、乗り越えることだけではなく、共存することで、ありのままの自分でいられることを、著者は多くの災害の被災者とともに考えてきました。
母親の自分がそうなのだから、子どもたちにとってこの逆境をどのように生きるか、著者の思いが伝わって来ました。