江戸の町で評判の菓子屋あんこやの跡取息子あまたろうは毎日仕事もせずプラプラと過ごしていました。見かねた両親がこの先のことを訊ねても、お父さんが働いてくれてるから大丈夫と呑気な返答が。それに無理をしないでいつまでも元気で働いてほしいなんて、どんだけの怠け者なんだと笑ってしまいました。
お父さんは、なんの努力もしないのに思いがけずいいことがあるという「たなからぼたもち」なんてことはない、という話をします。
そこで、本当にたなからぼたもちがあるのか試してみることに。
まず自分で牡丹餅作り。ここからは子供も興味津々でとても楽しそうでした。
牡丹餅が出来上がると棚へおき、あまたろうはその下で落ちてくるのをずっと待つことに。
全く落ちる気配もなく、日に日に牡丹餅は干からび、カビが生えるまでに。。でもその頃、あまたろうには棚の上の牡丹餅より両親の和菓子作りの仕事の方が気になるように。
これが両親の狙いだったのですね!さすがはお父さん、一枚も二枚も上手です。
ネズミが走りさる途中でやっと落ちてきた牡丹餅。でももう食べられるものではなくなっていました。
やっぱり、棚から牡丹餅なんて存在しないのですね。教訓の要素もあり、とっても楽しいお話でした。
働くことへの興味、楽しさという新たな道を見つけたあまたろう。きっと、お父さんのような立派な職人さんになるのだと思います。